第13回 全国療養病床協会研究大会 東京大会 発表記録

音楽療法が摂食障害に及ぼす影響

徳島県 鳴門山上病院

○長谷仁美,北野昇(ST),竜田庸平(PT),七條文雄(MD)

【はじめに】

パーキンソン病患者の歩行に関して、2Hzのリズム刺激を含む音楽療法の有効性が示唆されている。今回我々はこのリズム刺激を含む音楽療法が摂食障害に効果があるのではないかとの仮説のもとに検討を加える。

【対象】

誤嚥等の嚥下機能に直接問題はないが、食事時間が長い、食事摂取量が少ない等の問題を抱えている患者5名(82.4±9.2歳)を対象とした。疾患はパーキンソン症候群1名・認知症1名・脳血管障害後遺症(生活適応期)3名である。

【方法】

平成17年1月20日〜平成17年6月11日の期間の任意に定めた昼食時に音楽刺激を与えてビデオ撮影を行い、実施前、実施中、実施後の変化について比較検討を行った。併せて主食・副食の摂取量を割分にてデータ収集し、t検定にて統計処理した。音楽刺激には順天堂大学脳神経内科、林明人先生が監修された『パーキンソン病の方への音楽療法』CDを使用した。

【結果】

ビデオ検討を行ったところ、音楽療法実施中は食事に対する集中力が向上した。その結果として主食において食事摂取量の増加が認められた(p<0.01)。副食には有意差が見られなかった。

【考察】

今回の研究で、パーキンソン病患者のみならず、生活適応期の脳血管障害後遺症患者にも摂食障害における音楽療法の有効性が示唆された。今後の課題としては、症例数を増やし、各々の疾患が呈する摂食障害に対して、効果をもたらしたのはリズム刺激、メロディー刺激の何れに反応したものか等、多角的な検討を行っていく必要があると考える。また、摂食行動自体が心理的に影響を受けやすい因子である事、特に副食に関しては各個人の嗜好が関係している事を考慮する必要がある。

【まとめ】

今回の試みで、幾つかの症例に対して効果が認められた。現時点では効果的な活用法が特定できていないが、今後更に検討を加え、摂食障害に対する音楽療法の実用化に繋げていきたいと考える。