第12回 日本療養病床協会全国研究会発表記録


当院におけるモーニングリハの取り組みと今後の課題

徳島県 鳴門山上病院

○多田将和(PT)中東 望(OT)



1、
はじめに

近年リハビリテーション医療は、その基本的なアプローチのあり方が見直され、QOL向上を目的とした生活障害の改善に視点を置いた具体的な活動が重要視されている。
 そこで当院では、有機的なチームアプローチを促進すると共に、リハ医療の原点である「生活」に視点を置いたアプローチを実践するため、平成15年10月21日よりモーニングリハ(以下早出と略す)を開始し、病棟スタッフとの協業に努めてきた。今回は、これまでの取り組み及び経過と併せて、病棟スタッフ、セラピストの双方にアンケート調査を実施し、今後の課題について検討したので報告する。

2、対象と方法

 当院は一般病棟40床、回復期リハ病棟30床、医療保険適用療養病棟50床、介護保険適用療養病棟160床、計280床のケアミックス型の病院である。セラピストはPT18名、OT10名を各病棟に分配配置されている。
 早出業務は、セラピストの一部を始業7時〜終業15時30分(早出従事時間7時〜8時30分)として行われ、カンファレンス等で選出したADL諸動作に問題を有する患者様に対して@起床A更衣指導Bデイルームへ患者様の誘導C髭剃りD車椅子座位姿勢確認、ポジショニングE食事指導F車椅子駆動、歩行G整容(洗面室にて歯磨き、洗顔)H自室への誘導I排泄誘導J記録、伝達を行った。導入後7ヵ月が経過し、試行錯誤の段階ではあるが業務として定着しつつある。そこで今後の内容充実に向けての検討や効果の検証をすることを目的として、病棟スタッフを対象に早出の1)主旨、2)内容、3)必要性、4)方法、5)効果を、セラピストへは、早出において実施頻度の高い動作項目及び、上記のうち5)効果を問うアンケート調査を実施した。

3、結果

 早出による効果として、チームアプローチが向上、やや向上と答えたスタッフが全体の約6割を占め、改善傾向にあると考えられた。患者様の「している活動」は病棟スタッフ、セラピスト双方による評価で、3〜4割が向上、やや向上で、一部の患者様ではあるが改善傾向であった。

4、考察

 早出の従事時間は、起居・移乗・更衣・整容・排泄等のADL諸動作が集約される時間帯であり、ここにセラピストが参画することは、生活時間帯に即したリハアプローチを展開するという観点からも有効な手段であると考えられる。
 病棟スタッフに対するアンケート調査からは、ADL向上には必要、精神面の活性化に繋がる等の肯定的な意見と共に、早出の回数増加を望む声が多くを占めた。一方、セラピストからは、朝の状態を日中のリハへフィードバックが可能、病棟との協業が促進された等の意見を認めた。以上の事より、当初の目的通り有機的なチームアプローチに寄与しているのではないかと考えられる。
 今後の課題としては、セラピストの「生活」を診る視点の強化と併せて、早出の効果を検証するための客観的なスケールの作成が挙げられる。